キャラバンサライ

筆者は、不動産屋さんだから建物や建築のお話を書いているのではなく、昔から建築や建物が好きなんだなと最近気付いた筆者がキャラバンサライに泊まった時のお話です。

さて、やっと本題です。そんな筆者、いつか古城ホテルに泊まってみたいと思ってました。要塞ホテルでも良いし、歴史的な建築物のホテルでも良いし。そんなチャンスが何年も待ち続けて、やっと巡ってきました。GW前のリフレッシュ休暇の時です。
イスタンブールに着いて、まず1泊したのが、歴史的な建築物のホテルでした。旧市街の中にあるのでそうだろうと思ってました。日本のSNSの口コミでは、古城ホテルと書かれてることもありましたが、現地のガイドさんによれば、歴史的な建築物と教えてくれました。なかなかエキゾチックなハレムみたいな建物で、豪商の館みたいな造りで良かったです。もう少し楽しめる時間があれば堪能できるのにと惜しいところです。

さて、どんなホテルに泊まるより古城ホテルを楽しみにしていた。お目当てのホテルがあるのは「サフランボル」。トルコの言葉でサフランのたくさんあるところ。サフランとは香辛料で有名なサフランです。いくらサフランボルでも、お土産屋さんなどで売られてるサフランやサフランを加工した商品は偽物が多いとのこと。その昔、サフランの販売は、香辛料屋さんではなく、貴金属屋さんでした。金や銀と同じで量り売りされてました。それだけ貴重なものをそんな安価に販売できるわけがないとトルコの人に教えてもらいました。

バスを降り直ぐにジャーミー(モスク)を見て、ほんの少し旧市街を歩くとハマムがあり、更にお土産通りを抜けると目指すキャラバンサライがある。キャラバンサライとはキャラバンが泊まる宿のことだ。キャラバンとは陸路で交易を行う隊のことだ。初め、日本人が口々に「たいしょうやど」と言うので、頭の中でキャラバンが泊まる宿の意味は理解できたが、漢字が「大商宿」かと思っていた。キャラバンが大きな商いをするから、そのように言うのかなぐらいに思っていた。日本に帰ってびっくり「隊商宿」だった。キャラバンの日本語漢訳が隊商だったと知った。しかし、漢字とは便利なもので、隊商と表示するとキャラバンの本質が見えてくる。キャラバンは商人ではあるが、道中、窃盗団などの被害から身を守るために、武装していた。そこには秩序が必要でキャラバンを守るために、軍隊のような組織や指揮体系があった。キャラバンと言えば、ラクダをイメージするが、馬やロバなどは耐久性に欠けるために、消去法的にラクダが荷運びのメインになった。

キャラバンは理解できても、予想はついてもサライってなんだろう?
あの有名な曲の「サライ」かな?
実はそうです。サライとは「家」と言う意味です。するとあの名曲の意図まで理解できそうな気がします。

キャラバンサライはキャラバン達が使う宿です。キャラバン達は、貴重な商品やその代価を持ってます。安全を担保するために、城壁内の市街にあっても要塞のように頑丈です。そこから、キャラバンサライを古城ホテルと言ったり要塞ホテルと言う人もいます。

(キャラバンサライを外から見ると窓も高く堅牢なのがわかります。)
サフランボルにあるキャラバンサライは、町全体が世界遺産に登録されいて、その建物ももちろん世界遺産です。
世界遺産のキャラバンサライを維持保存するために、現地で財団法人のような組織で管理されています。これが案外やっかいです。設備の更新の際にも、その財団法人の許可が必要ですが、それが降りません。なので、設備が古いです。トイレもシャワーも洗面も。暖炉の跡がありますが、今はその名残を留めるばなりで使われてません。暖房はラジエターヒーターを使ってますが、この熱源も薪です。なので、人肌ぐらいのぬるい温度で使われます。そこで、ガイドさんとホテルの人に言われます。お湯が尽きればシャワーが冷たいときがあります。現地でも季節は春なのに地球規模の異常気象のためか、まだまだ肌寒いので、どうしてもシャワーを浴びたい日本人は早目に浴びるか、用心してシャワーを一日我慢する人もいたお蔭で、シャワートラブルがなかったようです。

そこで、筆者は、シャワーは浴びたいが、シャワーが水になるのは避けたい。かといって、シャワーを我慢するのもできない。
選択肢は、1つ。勇気を出して、現地のハマムに行くこと。少しでもトラブルを避けようとガイドさんにいろいろ聞いてもトルコの人からすると当たり前が、日本の当たり前とは別。出たところ勝負で行ってみた。

(薪での熱源なので、煙突から煙が出ているのがわかります)
この何気ないサフランボルの日常に溶け込むハマムも世界遺産の一部です。
外壁は石のブロック、ハマムの中は大理石、天井は漆喰と言ったところでしょうか。中を見学できただけでも喜べます。

さて、ここからは「ハマムの入り方」です。トルコのハマムの全てに言えるわけではないので、あくまで、筆者がサフランボルのハマムで体験して、役に立つかもしれないと思ったことを書いてみます。
ハマムを満喫してホテルの部屋に帰って気が付きました。ハマムの脱衣用の個室の鍵を持ってきてしまった。鍵を返しに、もう一度ハマムに戻ることになりましたが、この時に夜景を撮影しようとカメラを持って出かけることができました。ここでの夜の写真は、この時に撮影したものです。


さて、ハマムのマッサージはとても、ソフトタッチです。泡がいっぱいの垢こすりもとてもやわらかいです。
サウナもそこまで高温でもないので、苦手な人でもチャレンジする価値はあると思います。
最大のポイントは、マッサージする人に、先にチップを渡すことです。
これは、筆者のみの体験でしたが、翌日に、ガイドさんから、垢こすりの人は、毛むくじゃらのゴツイオヤジだった?と訊かれました。しかし、筆者が行ったときは両方共に若い男の子でした。しかも、とても痩せている。ハマムの蒸し暑い中で人の体を洗いマッサージするのは重労働だろうと思ったものです。筆者は日本人の中でもとても若く見られる方で、日本人の年配の方にも学生と思われてました。トルコ人からするともっと若く見えてたのか、ハマムでからかわれたようです。
マッサージや身体を洗っている最中に、足の裏や脇などを「こちょこちょ」されました。今、思うと施術してくれた人にチップわたしましたが、もう一人の男の子には渡してなかったから、チップが欲しかったのかなと思いました。